検索条件
火葬の前にお別れの儀式を
カトリック式に行った

焼香のあと
「ウンジってなに?」と嫁に聞かれる
例によって、なんのことだかわからんので
理由を聞いたら
焼香の最中耳元でだれかが
「ウンジ・・ウンジ・・・ウンジ・・」と
ささやくという
方言ぽいので、そばにいた従妹に
そういう方言あるか尋ねると
いまはつかわれなくなったが
古い方言で、「恩義」のことを
「ウンジ」といってるらしいことが
わかった
なるほど。。。
合点のいった俺たち夫婦は
再度遺体に向かって合掌
たしかに「恩義」感謝の意を
受け取ったよ
安心して
安らかに旅立ってください

とうとう
言葉もでてこなくなってしまった
車椅子に座ってもらってることも
痛々しい
だが、表情は険しくなく
手は握り返してくる
視聴覚のない世界で
いま何を考えているのだろう
死んではいない今の状態
ひとりきりで寂しい思いはあるのか
それとも、もうそれすらも超越した
自分の世界に飛んでいってるのか
この人のいままでの人生を思い返してみて
これが幸せだといえるのか
最後まで「親を恨んでいる」
といってたこと
それを覆す意識への転換を
残りの人生の中で実現できなかったこと
それが一番心残りだ
親を恨んだまま昇天してしまうこと
すごく悔やまれるが
生死の境にいると思われる今
この因果と向き合ってくれている
ことを祈るばかりである