2019/09/30(月)「砂の器」をスクリーンで見る

今日は久しぶりの有休消化日

休暇を利用して70年代の名作映画をデジタルであるが
スクリーンで見たく、わざわざバスに乗って映画館へ
足を運んだ

その映画は、松本清張原作、脚本橋本忍、名匠野村芳太郎監督の
「砂の器」

砂の器.jpg


もう何度も見ている大好きな映画だが
実は映画館で見たことがない

特に素晴らしい傑作娯楽映画を選び、全国の映画館で
1年間にわたって連続上映する「午前十時の映画祭」
というイベントが10年前からあって、気になっていたのだが
ずいぶん前から、「ニューシネマパラダイス」もしくは「砂の器」
どちらかを見に行く予定をたてていた。

しかし考えてみると、朝の10時という時間帯に映画を見る
というのは今まで経験ないし
朝の通勤時間帯に少しかかるということで
移動手段・方法も吟味しなければならなく
面倒だし、わざわざお金を払って古い作品をみるのもなあ。。。と
ついつい実現を後回しにしていたのが正直なところ

だが、どうやら「午前十時の映画祭」今年が最後ということで
今日少々無理して決行することにした。

9時半ごろ映画館に到着し、ミニシアターの外観を観察
10時に開館、受付で1100円払っていると、結構人が入って列を作っている
ほぼ年配客で、作品の知名度や人気の高さがうかがえた

80名ぐらいのキャパのこじんまりとしたシアタールームで
座った席はほぼ真ん中だったが、20名ぐらいの観覧者を確認
妙に落ち着く。。。
(このぐらいのプライベートなシアタールームを持てないかなー)

内容は勝手知ったるものだったので、デジタル化や音響の面でも
冷静に確認しようと思ったが、ストーリーに引き込まれて
よくわからなかった
(画質は思ったより荒かった感があるなあ)

後半の父子放浪の場面が始めると、隣や後ろの席から鼻をすする音が
みなこの作品に取り込まれているんだね^^;

出演者のセリフや行動ひとつひとつが、怒涛のラストの感動につながっていく
演出や脚本がすばらしいのはもちろん、この映画のために作られた芥川也寸志の音楽が
またすばらしい。

よくこの作品で、犯人に感情移入できない、殺人動機が腑に落ちない
などの冷静な反応や感想・意見を聞くことが多いんだが、それを横に置いといても
圧倒的に描かれる、この父子のおかれた立場や長期のつらい放浪生活の映像と
かくして「宿命」と名付けられた音楽で見せられると
自分でも変だが、すごく琴線に触れ、心を打たれる反則的な映画なのだ

そして、今日初めてわかったことがある

良い映画は「スクリーン」で見ても「ビデオ」で見ても
変わらず良い映画だということ!